ネステナーのサイズ

ネステナーの寸法とサイズ展開 / 適応サイズの選び方とは?

(1) ネステナーの適正サイズとは?

ネステナーにはいろいろなサイズがあるのはご存じでしょうか?ネステナーは正ネステナーや逆ネステナーなど形状の違いだけではありません。実はネステナー導入の際にはサイズ選びが重要になります。なぜなら倉庫に保管する荷物は変化する可能性があるからです。
今取り扱っている荷物だけでなく、未来の荷物も考えて倉庫の保管方法を考える必要があります。
この記事ではネステナーの基本的なサイズや選び方、注意点をまとめました。この記事を読めば倉庫の活用方法に合ったネステナーのサイズ選びができるようになります。参考にしてみてください。

(2) ネステナーのサイズの選び方

2-1) パレットの大きさを知る

ネステナーはパレットに載せた荷物を効率よく保管することに長けています。一般的販売・レンタルされているネステナーはパレットを使用することを前提に作られています。ネステナーを導入するにはまず荷物の大きさ、パレットの大きさを知る必要があります。

物流で使用されるパレットは【11型】や【14型】と呼ばれるサイズが主流となっています。
・【11型】奥行1100mm × 間口1100mm 
・【14型】奥行1100mm × 間口1400mm(間口にフォークを差し込む穴があります。)
上記2種類は数としては多いものですが全てがこのサイズではありません。国や取り扱う荷物が違えばパレットのサイズも変わることがあります。

まずは自社が取り扱うパレットの種類、サイズの範囲を把握します。大きめのネステナーであれば小さいパレットを積むことは可能です。

2-2) 荷物の高さを調べる

ネステナーは荷台の広さだけではなく高さも大切なポイントです。載せる荷物の高さの最大値や分布について調べます。
例えば、全てのネステナーを最大値の荷物の高さに合わせてしまうと、最大値の荷物が100個あるうちの1つだけだった場合、残りの99個分は無駄な高さを取ってしまうことになります。逆に平均値に合わせてしまうと背の高い荷物を収納できなくなってしまいます。
取り扱う荷物の高さを把握し、全体的な効率に合う高さを考えます。

2-3) 荷物の管理方法を考える

荷台の広さと高さが分かったら、倉庫全体の管理方法を考えます。
倉庫の広さ、高さを考慮して段積み、配置場所を決めます。
フォークリフトの移動導線や荷物の置き場などに無理がないか検証します。レイアウトに無理があるとせっかくネステナーを導入しても旋回や移動が困難でレイアウトを作り直さなければならなくなります。
あらかじめ無理がない配置か、ネステナーのサイズを調整することで倉庫のスペースを効率良く活用できるかどうかを検討しておきます。

(3) ネステナーの寸法・サイズ展開例

3-1) 正ネステナー

【11型】【14型】のパレットを基準にした標準的な【正ネステナー】のサイズ例です。

正ネステナーの標準的な規格例(松井工業ネステナー参考)

パレット
サイズ
外寸 内寸
間口 奥行 高さ 間口 奥行 高さ
11型
1100×1100
1350 1200 1500 1250 1150 1310
1700 1510
14型
1100×1400
1650 1200 1500 1550 1150 1310
1700 1510

3-2) 逆ネステナー

【11型】【14型】のパレットを基準にした標準的な【逆ネステナー】のサイズ例です。

逆ネステナーの標準的な規格例(松井工業ネステナー参考)

パレット
サイズ
外寸 内寸
間口 奥行 高さ 間口 奥行 高さ
11型
1100×1100
1350 1200 1550 1250 1150 1500
1750 1700
14型
1100×1400
1650 1200 1550 1550 1150 1500
1750 1700

3-3) 正・逆ネステナーのサイズ特徴

(4) 基本のサイズと注意点

4-1) 間口

間口は荷物の横幅です。パレットを基準に考える場合はパレットの横幅より大きめの間口を選びます。パレットはフォークリフトで積み込むので、余裕がないと荷役作業が難しくなってしまいます。ネステナー本体にぶつけてしまうとネステナー本体が傷み、寿命を縮めてしまいます。パレットの実寸を確認して積み下ろしもしやすい間口を選びます。

4-2) 奥行

奥行は荷物を積む際に幅が狭くて困るということはありません。しかしフォークリフトで荷役作業をする際は奥が見えにくいので、荷物の押し込みすぎや落下には気を付ける必要があります。ネステナーのレイアウトを考えるときに余裕がないと後ろの荷物や棚にぶつけてしまわないようにします。パレットがはみ出ないように落下防止のストッパーを取り付けるという方法もあります。

4-3) 高さ

高さ選びは収納効率を左右する大切な要素です。高すぎても倉庫の高さを活かしきれませんし、低すぎても背の高い荷物が載せられなくなってしまいます。
保管する荷物の高さの特徴を良く調べて検討します。その際にネステナーの段数を増やすだけではなく、中間棚の取り付けなどネステナーのオプションパーツも活用すると収納効率を上げることができます。

4-4) 外寸

外寸は倉庫のレイアウトに重要です。倉庫内の広さや高さを考慮して【外寸】を基準にレイアウトを考えます。
外寸から【配置できる列】や【段積みの段数】の計算を行い、荷役作業や荷物の管理方法など倉庫の使用方法を決めることができます。

4-5) 内寸

内寸は載せる荷物の大きさと比較するときに大切です。荷物を載せることができる間口や奥行は【内寸】を基準に考えます。
ネステナーのサイズ表示には【外寸】と【内寸】がありますのでそれぞれ何に必要なサイズなのかを明確に理解して確認する必要があります。

(5) ネステナーのサイズと機能

5-1) 耐荷重

標準的な耐荷重は1000kgが多いですが、全てのネステナーが同じ耐荷重ではないので必ず確認が必要です。
特注サイズや高さを大きくすると耐荷重が下がる場合があります。メーカーによっては他社では標準としていない規格を採用していることがあります。耐荷重は安全性確保でも大切な要素ですので確認し、必ず規定耐荷重を守って使用します。

5-2) 段積み

段積み可能な数はネステナーの規格によって違いがあります。必ずしも背が高いから段積み数が少ないとは限りません。段積み可能な段数は安定性や耐震力を考慮して決められています。安全性を守るために大切な要素ですので確認し、必ず規定数を守って使用します。

5-3) 収納性

ネステナーには中間棚や連結ブリッジなど収納性を高めることができるいろいろなオプションパーツがあります。ネステナー導入の際は本体のサイズだけではなく収納性や作業効率、安全性を高めるオプションパーツがどれくらい使えるのかということも大切です。

(6) ネステナーの寸法とサイズ展開【まとめ】

ネステナーのサイズは荷物の形状や数量、分布率を把握し、倉庫の広さや大きさ、作業効率も考慮してレイアウトを考えておくことが大切です。
保管する荷物が流動的で変化しやすい場合は変化に対応できるサイズのネステナーが必要です。サイズの見方は【外寸】と【内寸】を間違えないように気を付け、荷物のサイズに合ったネステナーを選びましょう。