ネステナーの耐用年数と
買い替え時
ネステナーの耐用年数と買い替え時はいつ?点検方法も解説
2)ネステナーの耐用年数
2-1. 耐用年数とは
2-2. 減価償却費と耐用年数
2-3. 利用方法による耐用年数の違い
3)ネステナーの買い替え時
3-1.劣化による買い替え時
3-2.破損による買い替え時
3-3.使用年数による買い替え時
4)ネステナーの点検方法
4-1.素材の劣化点検
4-2.組み立ての劣化点検
4-3.重要部位の劣化点検
4-4.損傷による劣化点検
5)ネステナーの買い替え方法
5-1.全てのネステナーを入れ替える
5-2.一部のネステナーを入れ替える
5-3.レンタルの利用を検討する
6)ネステナーの耐用年数と買い替え時【まとめ】
(1) ネステナーの耐用年数と買い替え時は?
ネステナーはいつまで使えるの?どのくらい壊れない物なの?ネステナー導入前にコストの計算としてネステナーが何年くらい使えるものなのかは当然考えられることですよね。
実は勘違いしている人が多いのですが、【耐用年数】とは食料品の賞味期限とは違い、使用可能年数を表しているわけではありません。これは【減価償却費】に関わる耐用年数のことです。
この記事ではネステナーがどのくらい使えるのか、耐用年数との関係や買い替え時の考え方をまとめています。この記事を読めばネステナーがどのくらい使用可能なのかの見当をつけられるようになります。参考にしてみてください。
(2) ネステナーの耐用年数
2-1) 耐用年数とは
耐用年数とは減価償却費の計算に用いられる年数のことで、企業が事業に使用する物的な資産が使い方によってどれくらいの期間活用できるかを見積もったものです。
つまりネステナーの耐用年数とは、ネステナーが使用可能な期間のことではありません。
・東京都主税局ホームページより抜粋
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/info/taiyo_nensu.html
“減価償却資産の「耐用年数」とは、通常の維持補修を加える場合にその減価償却資産の本来の用途用法により通常予定される効果をあげることができる年数、すなわち通常の効用持続年数のことをいい、その年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和40年大蔵省令第15号)により定められています。”
2-2) 減価償却費と耐用年数
減価償却資産としての耐用年数は使用目的や使用方法に費用を分割して必要経費として計上できます。
つまり、事業に必要な大きな買い物をしたとき、買ったその年だけではなく、決められた耐用年数によって分割して経費を計上することで、期間中の税金も変わってくるということです。
・国税庁ホームページより抜粋
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.html
“減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。”
2-3) 利用方法による耐用年数の違い
ネステナーの減価償却に関する耐用年数は使用目的や使用方法によって異なります。ネステナーだから○年、というくくりではありません。
一般的には【倉庫業用設備】として耐用年数は12年になります。他にも陳列棚として利用している場合や本棚として併用している場合など利用目的と方法によって耐用年数も変わってきます。
※国税庁ホームページ「耐用年数表」参考
https://www.keisan.nta.go.jp/h29yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensuhyo.html
(3) ネステナーの買い替え時
3-1) 劣化による買い替え時
ネステナーが材質的に劣化している場合は買い替え時です。
材質的な劣化とは錆びなどによる腐食によって金属がもろくなっている状態です。金属の質が落ちると硬度や弾性が弱くなり、重さに耐える力だけではなく揺れや衝撃、側面からの力で金属が崩壊してしまいます。金属が劣化し耐久力が落ちている様子があれば買い替え時です。
3-2) 破損による買い替え時
ネステナーの重要部分が破損している場合は買い替え時です。
日常業務でネステナーを使用している中で荷物やフォークリフトなどがぶつかってしまうことはよくあることです。多少の傷であれば問題ありません。しかし支柱や荷台の付け根、接続部のピンやレール部の鉄骨が折れ曲がったり、構造がゆがんでしまっている場合は安全性に問題が生じています。修繕できない場合は買い替え時です。
3-3) 使用年数による買い替え時
見た目上問題がない場合でも使用年数は買い替え時の目安とします。
ネステナーの使用可能年数はどんな重さの何を保管していたのか、保管していた環境はどのような場所かなど、いろいろな要素が関係してきます。年数で区切ることは難しいのですが耐用年数の基準を参考にしても5年~12年程度は使える見込みがあります。
耐用年数を参考に実際の使用年数と照らし合わせ、耐用年数が満期に近い場合は点検を強化するなどし、異常があれば修繕よりも買い替え時かもしれません。見た目だけではなく使用年数も参考にして買い替え時を見極めます。
(4) ネステナーの点検方法
4-1) 素材の劣化点検
ネステナーを使用しているとまず塗装の劣化が起こります。塗装は色や外観の美しさだけではなく、むしろ錆止めとしての機能が大切です。塗料の劣化や傷などにより塗装がはがれると、そこから金属が錆び始めます。錆びは広がっていくという特性があり、小さな錆びを長年放置すると深さや範囲を広げ、致命的な損傷を与えることがあります。
点検では錆びが奥深くまで浸透していないか確認し、塗料の劣化や錆びが増えてきた場合は錆び止めの補修等も検討すると金属の腐食を遅らせることができます。
4-2) 組み立ての劣化点検
ネステナーは各部位が溶接されています。つなげてある部分は直線の棒が交わる位置ですので普段から負担の大きい部位になります。重さにより溶接部分が外れかかっていないか、溶接されている部分が腐食していないかの点検を行います。
溶接部分の強度が落ちているなら早めに修繕を行い、錆びは塗装を塗りなおすなどの対応を行います。
4-3) 重要部位の劣化点検
ネステナーにはその機能を果たすために特に重要な部位があります。
・支柱
・荷台と支柱の接続部分
・ネステナーを段積みするときの接続部分
これらは荷物や作業による負荷が大きく、破損が重大事故につながりやすい部位です。これらの部位の金属の腐食状態、傷、折れ曲がり、緩み、外れ等の異常は早く発見しすぐに対応が必要です。
4-4) 損傷による劣化点検
衝突や劣化など原因に関わらずネステナーに大きな損傷がないか点検します。
荷役作業の際にフォークリフト等が衝突したことによりネステナーを支える支柱やレールが大きく凹んだり折れ曲がったりしていないか、全体のフレームが歪んでいないかを確認します。折れ曲がりや歪みがあると、ネステナーにかかる重量を分散できなくなり、重大事故の原因になります。
ネステナー本体に大きな損傷を見つけたら使用を中止し、修繕または破棄を検討します。
(5) ネステナーの買い替え方法
5-1) 全てのネステナーを入れ替える
今使用しているネステナー全体の使用年数が耐用年数を超え、劣化や修繕が目立つようであれば全てのネステナーを入れ替えたほうが効率や安全を保てる場合があります。
全てのネステナーを入れ替える場合は新規発注、中古で探すなど入れ替える方法は多様にあります。ただし数が多くなるので本当に全ての入れ替えが必要かどうかはよく検討が必要です。
5-2) 一部のネステナーを入れ替える
今使っているネステナーが破損や劣化により一部を買い足す場合は今後も一緒に使用できるように同じネステナーを足したいところです。同じ型のものが売っていれば良いのですが、もともと中古等でそろえた場合は同じネステナーが見つからない事もあります。同じ規格のネステナーが見つからない場合は特注製造を請け負ってくれる製造業者に相談し、今あるネステナーと同規格のものを発注して補充することもできます。
5-3) レンタルの利用を検討する
ネステナーの買い替えを検討する際は、レンタルも併せて検討してみる良い機会です。レンタルは買い替える必要もなく、劣化や使用できない物は交換できます。また、ネステナーは発注台数によって値段が変わるため少数の発注では高くついてしまう場合もあります。
全体の入れ替え、一部の入れ替えを問わず、劣化による買い替えが必要な状態であればレンタルの方が効率的である場合があります。
(6) ネステナーの耐用年数と買い替え時【まとめ】
ネステナーの耐用年数と実際に使用可能な年数は違います。耐用年数は税金の計算の際に減価償却費の基準とするものです。実際の使用可能年数は劣化や破損によって壊れるまで使用可能です。点検やメンテナンスを行い安全に長く使うことが大切です。ネステナーの買い替え時を考える際は今回まとめた内容を参考にしてください。