正ネスと逆ネス
使い分け事例
正ネスと逆ネス使い分け事例 / 違いを活かした効率収納を解説!
2)正ネステナーの特徴
2-1. 地震にも強い安定性
2-2. 保管レイアウトを変更しやすい
2-3. パレット以外の荷物に対応しやすい
3)逆ネステナーの特徴
3-1.1台で2段収納できる
3-2.費用が安くなる
3-3.レイアウトの変更には手間がかかる
4)正ネステナー使い分け事例
4-1.多様なレイアウト変化に対応
4-2.背の高い荷物を安定的に保管
4-3.転がりやすい荷物を安定的に保管
5)逆ネステナー使い分け事例
5-1.天井の低い倉庫を有効活用
5-2.少ない台数で高い収納効率
5-3.連結ブリッジを活用
6)正ネスと逆ネス使い分け事例【まとめ】
(1) 正ネスと逆ネスの使い分け方法
ネステナー(ネスティングラック)導入の際に、正ネステナーと逆ネステナー、どちらが自社の倉庫に合っているのか分からずに悩んでいませんか?
実は倉庫の使い方が分かれば正ネス・逆ネスの使い分けも簡単です。
正ネステナーは流動的で変化の多い倉庫に向いていて、逆ネステナーは固定的で倉庫のスペースを有効活用したいときに向いています。
この記事では正ネステナーと逆ネステナーの特徴、使い分け活用事例をまとめました。この記事を読めば倉庫の運用に合ったネステナーを選ぶことができるようになります。参考にしてみてください。
(2) 正ネステナーの特徴
2-1) 地震にも強い安定性
ネステナーは独自の免震構造により地震の揺れには強い構造になっていますが、正ネステナーは逆ネステナーと比較すると荷台が下にあることでさらに安定した構造になっています。
ネステナー本体に対して重心が低い位置にあり、横からの力が加わっても荷台の重さがストッパーの役割をしてくれます。
地震だけではなく、フォークリフトの衝突などによる横からの強い衝撃や荷崩れによるバランスの偏りが起きても転倒や転落しにくく、逆ネステナーより安定性があります。
2-2) 保管レイアウトを変更しやすい
正ネステナーは荷物が乗った状態で移動がしやすく、倉庫の在庫状況が変化していく場合はレイアウトの変更がしやすい特徴があります。
逆ネステナーは1台で2段の収納スペースを作ることができますが、ネステナーに荷物を載せたまま移動する作業にはあまり向いていません。荷物を下ろして、ラックを移動して、また荷物を移動先に持って行って積みなおす、というのはかなり手間のかかる作業です。
正ネステナーは荷台に荷物を置いたままでも移動が可能です。逆ネステナーのようにフォークを高い位置で移動させる必要がなく安定した状態で移動が可能です。
移動が簡単にできるので、在庫が常に入れ替わり変化していく倉庫に向いています。
2-3) パレット以外の荷物に対応しやすい
正ネステナーは荷台が下にあり箱のような形をしているためパレット以外の荷物を収納しやすい特徴があります。
例えば逆ネステナーでは棒状の荷物や円筒形、球体の荷物の収納は不向きです。
荷物が落下しないようにネステナーの側面に網状のガードを取り付けたり、荷台にボードを敷いたりすることで、荷物の形状に適した収納に変えることができます。
タイヤやボール、棒状の資材などを効率よく保管するには正ネステナーの方が適しています。
(3) 逆ネステナーの特徴
3-1) 1台で2段収納できる
逆ネステナーの1段目は床と荷台の2カ所収納スペースがあります。正ネステナーと比較すると、逆ネステナーの段数にプラス1カ所ずつ収納スペースが多くなるということです。
・正ネステナー3段 = パレット置き場は3台
・逆ネステナー3段 = パレット置き場は4台
これが30列あったとすると、
・正ネステナー3段×30列 = パレット置き場は90台
・逆ネステナー3段×30列 = パレット置き場は120台
同じ台数使っても逆ネステナーはパレットを30台も多く保管することができます。
3-2) 費用が安くなる
逆ネステナーの1段目は床と荷台の2カ所収納スペースがあることにより費用を削減できます。
パレット置き場が120台必要な時
・正ネステナーの必要数:3段×40列=120台
・逆ネステナーの必要数:3段×30列=90台
同じ数のパレットを保管するのに30台の差が出ます。
正ネステナーの最上段にトップというオプションパーツを取り付けて荷台を増やすと、逆ネステナーとネステナーの台数は同じ台数になります。しかし結局はトップの費用が掛かってしまいます。
トップを使用した場合の正ネステナーの必要台数
・正ネステナーの必要数:(3段×30列=90台)+(トップ×30台)
となります。
このように、ネステナーの台数、オプション費用も含めて、逆ネステナーの方が費用が掛かりにくくなります。
3-3) レイアウトの変更には手間がかかる
逆ネステナーは足の付いた台のような形をしています。逆ネステナー単独では台の上に荷物がむき出しで載っている状態になっています。
フォークリフトで移動する際は、荷物を載が視界に入りにくく、またフォークも高い位置で支えて移動しなくてはならないので安定性も良くありません。
逆ネステナーでのレイアウト変更は安全第一の観点から無理をせず基本的に荷物を下ろしてからの移動となります。
・荷物を下ろす。
・ネステナーを移動する。
・荷物を移動する。
・荷物を載せる。
レイアウトの変更には上記の作業を繰り返し行うため、正ネステナーと比べて手間と時間が掛かります。
(4) 正ネステナー使い分け事例
4-1) 多様なレイアウト変化に対応
トランスファーセンター、通過型物流倉庫のような、別の場所へ送るための荷物を一時集めて配送するための倉庫には変化に強い正ネステナーが向いています。
絶えず変化する荷物の種類や量に合わせて保管場所やレイアウトを変更するにはラックごと移動できる正ネステナーが利便性を最も発揮する場面です。
配送の優先順、荷物の種類別、配送先ごとの分類など多様なレイアウトに対応できます。
荷物の増減による空きに対してもネステナーは重ねてコンパクトに収納できるので荷物の量に合わせて倉庫を有効活用できます。
4-2) 背の高い荷物を安定的に保管
倒して積み上げることができない棒状の荷物には荷台が下にある正ネステナーの方が保管に適しています。 正ネステナーにはオプションで側面に網状のガードを取り付けることができます。荷台にもボードを敷くことで荷台の隙間から荷物が落ちるのを防ぐことができます。
パレットを使用しない荷物や、ビニールラップ等で梱包されていない荷崩れしやすい荷物を保管する場合は正ネステナーにオプションパーツを取り付けて対応することができます。
4-3) 転がりやすい荷物を安定的に保管
タイヤのような転がりやすいものや円筒形、球体の荷物を保管する際には正ネステナーが適しています。
タイヤの場合、タイヤを立てて積載し、側面にオプションの転がり防止の横棒を取り付けることでタイヤを保管することができます。
保管する荷物が長期的に変わらないのであれば業者に特注し、荷物が転がりにくい荷台やガードの取り付け、スペースを無駄にしない幅と高さにすることでさらに収納効率を上げることができます。また専用スロープもつけることでタイヤの積み下ろしの負担も軽くなります。
(5) 逆ネステナー使い分け事例
5-1) 天井の低い倉庫を有効活用
ネステナーを1台、2段の荷物を置くことができる程度の倉庫の場合では逆ネステナーの方が効率的です。
正ネステナーで2段積みにするためには正ネステナーを2段重ねるか、正ネステナーにトップという正ネステナーの上に荷台を取り付ける必要があります。
逆ネステナーはオプション無しの1台で荷台の上と下の2段の荷物を置くことができます。
天井の低い倉庫では逆ネステナーを並べるだけで多くの収納スペースを確保することが可能で、アンカなどの固定も必要ないので簡単にレイアウトすることができます。
5-2) 少ない台数で高い収納効率
逆ネステナーの1段目が2段分の収納スペースを確保できるという点を最大限に活かすことで、少ない台数で多くの収納スペースを確保することができます。
平面上に30台のネステナーを置ける場合
正ネステナー2段の場合:正ネステナー×30台×2段=60台
正ネステナー・トップの場合:正ネステナー30台+トップ30台
逆ネステナーの場合:逆ネステナー30台
少ない台数=少ない費用で多くの収納スペースを作りたい場合は逆ネステナーが適しています。レイアウトの変更や移動の手間は正ネステナーの方が効率が良いので、荷物の変動も考慮しておきましょう。
5-3) 連結ブリッジを活用
少ないネステナーの台数、少ない費用で荷物を効率的に保管したい場合は連結ブリッジというオプションを活用します。
連結ブリッジとは、2台の逆ネステナーを荷台で連結するパーツです。
逆ネステナー2台と連結ブリッジ1台で逆ネステナー3台分の収納スペース(6カ所)を造ることができます。
連結ブリッジの大きさは特注できるので荷物や倉庫のスペースに適した大きさのブリッジを発注することもできます。倉庫のスペースをさらに無駄なく活用することができます。
(6) 正ネスと逆ネス使い分け事例【まとめ】
正ネステナーは安定性や移動性が高く、レイアウトの変更、多様な荷物に対応しやすい特徴があります。
逆ネステナーは1台で2段分の収納スペースを確保でき、連結ブリッジなどを使用してさらに無駄なく低コストに収納効率を上げることが可能になります。
今回の記事を参考に、正ネステナー・逆ネステナーそれぞれの特徴を活かし、倉庫の面積や高さ、保管方法、荷物の流動性等を考慮して適したネステナーを選んでください。